[ソウル=ヘルスコリアニュース] 副作用で市場から撤退していたファイザーの急性骨髄性白血病(AML)治療剤「マイロタク」が韓国で正式に品目許可を受けた。
食品医薬品安全処は18日、韓国ファイザー製薬のAML治療剤「マイロタク-注4.5mg」(Mylotarg、成分名ゲントゥジュ·マプオゾガマイシン·Gemutuzumab ozogamicin)を希少専門医薬品として許可した。 「マイロタク」は新たに診断されたCD33-陽性のAML成人患者治療用に使用できる。
2019年に国内で希少医薬品に指定された「マイロタク」は、AML患者の90%に発現する「CD33」という抗原の発現を防ぐメカニズムである。 2000年に米国FDAから迅速承認を受け、抗体-薬物接合体(Antibody-Drug Conjugate, ADC)治療剤としては初めての承認だった。 ADCとは、抗体と薬物をリンカー(linker)でつなげた薬物だ。
「マイロタク」は、FDA許可当時、現在よりも高い用量でCD33陽性AML患者中、初めて再発を経験した60歳以上の患者、又は他の細胞毒性化学療法を考慮できない患者に処方された。 しかし、肝臓と肺における合併症の発生など、副作用が持続的に報告された。 市販後の調査でも臨床的な利得を立証することに失敗した。
これによって , ファイザーは2010年に「マイロタク」の許可を自発的に撤回した。 当時、韓国の食品医薬品安全庁も「マイロタク」の処方中止を勧告し、最初のADC「マイロタク」は市場から完全に撤退するかのようだった。
問題は、AML に処方できる薬物が非常に制限的であることだった。 このためファイザーはALFA-0701、AML-19、MyloFrance-1.1 など「マイロタック」についての様々な研究者臨床試験を行った。
ALFA-0701試験は、AMLを初めて診断された271人の患者を対象として、従来とは異なり、'マイロタク'を低用量で投薬する方式で進行した。 「マイロタク」3mg/m²と標準治療剤を併用投与する試験群と標準化学療法群を対照群として設定し、比較評価した。 その結果、併用処方群(n=135)は化学療法のみを受けた群(n=136)に比べて無事故生存期間(event-free survival、EFS)が向上していることがわかった。 「マイロタク」併用療法群の無事故生存期間は17.3 ヶ月であったが、対照群の生存期間は9.5 ヶ月に過ぎなかった。
AML-19試験は,「マイロタク」単独療法(n=118)を最善の支持治療(best supportive care, BSC, n=119)と比較する試験であった。 この試験は、他のAML治療に耐えられない老人患者を対象に行われた。 その結果、全体生存(overall survival, OS)期間中間値(Median OS)は最善の支持治療群は3.6ヶ月であったが、「マイロタク」投薬群は4.9ヶ月となった。
MyloFrance-1は初の再発が発見された成人患者57人を対象に進行した。 この研究で15人の患者がCR完全な寛解 (complete remission, CR)を見せ、再発のない生存期間(relapse-free survival,RFS)は11.6ヶ月だった。
このように臨床データを多様に確保することになった「マイロタク」は、2017年米国FDAからの再承認獲得に成功した。 そして今回国内で正式品目許可を受けることになった。 治療オプションが制限されていたAML患者に「マイロタク」が新たな可能性を開くことができるか注目される。