
[ソウル/ヘルスコリアニュース] 21世紀に入って世界の科学者と医学者は一様に「不気味な」警告を発している。 地球温暖化による気候変動、そしてそれがもたらす大災害「人類の終末」だ。
バイデン米次期大統領のコロナ19諮問委員であるマイケル·オスターホーム(MICHAEL OSTERHOLM)博士の警告もその一つだ。
"もし私たちが「SARS」の脅威を反面教師として、今後起こる危機の前兆として受け止めていたら、今どんな状況になっていただろうか(…)断言するに、コロナ19よりも大規模な感染病が発生、1918~1919年に全世界を荒らし、5000万~1億人の命を奪った「スペインインフルエンザ」ほど人類にひどい衝撃を与えるだろう。"
オスター·ホーム博士は昨年出版された著書『殺人微生物との戦争』(原題「Deadliest Enemy」)2020年版序文でこのように警告した。 地球温暖化で新種伝染病の出現速度が次第に速くなり、「第2のコロナ」が発生して人類に莫大な災難をもたらす可能性があるという警告だ。
新年を迎えオースターホーム博士の警告が尋常でないのは、それが「大災害の前奏曲」のように近づいているからだ。
2002年に広東省で始まり、カナダまで広がった「SARS(重症急性呼吸器症候群)」、2009年にメキシコで始まり世界を襲った鳥インフルエンザ(AI)、2012年にアラビア半島を襲った「メルス(中東呼吸器症候群)」、そしてコロナ19に至るまで、どれひとつ彼の「予言」から外れたものはない。
しかし世界の指導者、特に富裕層の認識は依然としてのんきだ。 お金を最高の価値に思う物質万能主義、開発と破壊を何とも思わない低級な認識など、彼ら自らが人類終末の主役であることに背を向けている。
こうした状況についてオースターホーム博士は、「われわれが普通は公衆保健を長期的な観点で考えていないことが問題だ」と指摘する。
この40年間、感染病と戦ってきた彼の言葉は単なる警告ではない。 残念な現実認識に対する憤りに他ならない。 莫大な犠牲を経験しても教訓を得ることができないという、いや我を忘れているという'最後の通牒'でもある。
本の内容を見ると、専門家がなぜ今の状況でこのように憤りを感じるのか理解できる。 氏の著書は、2017年に書かれたにも関わらず、今日の「コロナ19事態」を正確に突き止めている。 特に20世紀最悪の災難と記録された「スペインインフルエンザ」のようなペンデミック状況を仮定した仮想シナリオはコロナ19事態の展開過程と酷似している。 あえて違いがあるとすれば、最初の発病場所が中国の武漢から上海に、コロナ19ウイルスがインフルエンザ(H7N9)ウイルスくらいに描写されたというのだ。
この仮想シナリオを見ると、上海地域の医師たちは、初めてウイルスが出現したとき、単なる季節性インフルエンザがはやっていると考えた。 しかし、4月中旬になってもインフルエンザが収まる兆しを見せず、ようやく患者数百人から、これまで見たことのない症状があることに気付く。 WHO(世界保健機関)の調査結果、このウイルスは毎月数百万羽の鶏が孵化(ふか)し、消費される上海で遺伝子組み換えを通じて出現した「H7N9」という新種の人獣共通感染ウイルスであることが明らかになった。
このウイルスは、いかなるワクチンも効かなかった。 さらに、2カ月足らずの5月末になると、世界72カ国に広まり、患者や死亡者が相次いだ。 中国で発生したウィルスは米国に最も大きな打撃を与えた。 米国は病院でさえ、N95マスクが底をつき、7月第1週、米国CDC(疾病統制予防センター)は、インフルエンザが下火になると発表したが、わずか2ヵ月後に2回目の大流行を迎えることになる。 このシナリオでインフルエンザが下火になった時期は翌年6月だった。 この時まで2度の大流行で、全世界で22億2000万人がインフルエンザにかかり、3億6000万人が死亡した。
2017年に出版されたこの本が「逆走行ベストセラー」になったのは決して偶然ではなかったわけだ。
同書は、米国のある疫学調査官が、公衆保健分野で起きた大型伝染病問題の最前線で観察し、疫学調査に乗り出し、研究し、政策を開発した経験から出た結果だ。
著者のマイケル·オースターホームは、ミネソタ大学感染病研究政策センター(CIDRAP)センター長で、この40年間あまり、毒性ショック症候群(TSS)、エイズ(AIDS)、SARS(SARS)、抗生剤耐性、食品媒介疾病、ワクチンで予防できる疾病、生物兵器テロ、エボラのような人獣共通感染病、ジカウイルスのような媒介感染病などと向き合ってきたこの分野の最高の専門家だ。 局地的な領域、地域社会、国家、世界レベルで発生したすべての微生物問題を経験して対立する間、著者は空中保健に接近する時、どこに焦点を合わせなければならないかを実感した。
本書はその知恵を総合し、現場での感染病病原体を追跡する迫力あふれる話と、問題解決のための多様な政策的アイデアを提示している。 過去半世紀の伝染病の現場と、その打開に向けた政策的努力の様相が総合的に整理されている。 同時に政治、経済、社会、文化が複雑に絡み合った感染病時代のパラダイムを構造的に把握し分析したという点で示唆するところが非常に大きい。
著者のオースターホームは「どんなに優れた科学研究でも政策が伴わなければ何の成果も出せない」と言う。 これは、世界の指導者とカネだけを追う金持ちが耳を傾けるべき部分だ。 もちろん彼らにこんな助言が意味のあるものとは思えないが、著者は最後まで「人類の最後」を防ぐために必死になっている。
現代は科学の時代であると同時に、76億人の人口がお互いに影響を受けながら生きていく。 著者が見ると、それは単純な数字の問題ではない。 あまりにも多くの人間が交流し、伝染病問題を引き起こす可能性のある環境に住んでいるのだ。 そうした中、世界人口の増加速度は爆発的だ。 2024年には80億を超え、2050年には100億人の人が地球上に住むと予測されている。
著者は次に来る主な流行病として'致命的なインフルエンザ変種'を挙げる。 これは現在コロナ再流行の恐怖の真ん中に住んでいる韓国の状況を見ると、切々と心に響く。
抗生物質に耐性を持つようになったバクテリアは、変形を繰り返しながら迫り来る災難に拍車をかける勢いだ。 スーパーバクテリアあるいはスーパーバグと呼ばれるスーパーウイルス(supervirus)は数十年内に'脱抗生剤'時代を予告している。
著者は、さまざまな伝染病の破壊的な経済的、社会的波及効果を示し、来るパンデミックは大量虐殺だけをもたらすのではなく、基盤インフラ、株式市場、文明の崩壊そのものにまで至らしめると警告する。
2021年の辛丑年。 私たちは環境と健康についての根本的な悩みに直面している. 新薬開発を通じた製薬大国入りも重要だが、それは結局枝葉の解決策に過ぎない。 人類が生存できるより根本的な代案は、環境でその解決策を見出さなければならない。
にもかかわらず、人々は危機を感じていないように見える。 住宅価格が安定しないと政府を恨んでいるため、今この瞬間にも数多くの山林が掘り起こされている。 そのようにして建てられる多くの家は、結局投機筋のもう一つの遊び場になるはずだが、住宅普及率100%を超えた今でも、もっと多くの家を建てなければならないと騒いでいる。
そのため、気候変動による人類終末は必然ということだ。
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もはや、この根本的な質問に答えなければならない。
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