[ソウル=ヘルスコリアニュース] 韓国の製薬バイオ企業のセルトリオンは豪州で「コロナ19吸入型抗体治療剤」の1相臨床試験を終え、グローバル3相臨床試験に本格的に突入した。
セルトリオンは最近、ボスニア(Bosnia)、セルビア(Serbia)、北マケドニア(Macedonia)の3ヵ国に吸入型カクテル抗体治療剤に対する臨床3相試験計画(IND)を提出した。
会社側は今後、臨床試験の国数を拡大し、合わせて2200人の軽症および中等症コロナ19患者を対象に臨床を進め、吸入型カクテル抗体治療剤の有効性と安全性などを立証する計画だ。
吸入型カクテル抗体治療剤はセルトリオンが米バイオ企業のインハロンバイオパーマー(Inhalon Biopharma 以下、インハロン)社と共同で開発中のコロナ19吸入型抗体治療剤にセルトリオンが開発中のコロナ19抗体治療剤候補物質「CT-P63」を追加したものだ。
セルトリオンはコロナ19治療剤の開発初期からウイルス変異への対応が重要だと判断し、計38個の中和抗体で構成された潜在的カクテル候補抗体プールを確保した。 「CT-P63」は開発過程ですでにアルファ、ベータ、ガンマ、デルタなど主要変異で強力な中華能力を見せた。 また、独自に実施したオミクロン変異対応試験においても強力なウイルス中和能力を確認した。
セルトリオンのアメリカのパートナー企業であるインハロンは最近オーストラリアで健やかな被験者24人を対象に行った吸入型コロナ19抗体治療剤の臨床1相試験において予定された全ての投薬を完了した。
臨床結果、吸入型抗体治療剤投与群では薬物による重大な異常事例及び異常事例による投薬中断事例が発生せず、安全性(Safety)を立証したと会社側は説明した。
セルトリオンは吸入型抗体治療剤の安全性を確認しただけに、コロナ19治療剤の候補物質である「CT-P63」を追加した吸入型カクテル抗体治療剤の開発にさらに拍車をかける方針だ。
セルトリオン関係者は7日、ヘルスコリアニュースに「静脈注入型抗体治療剤'レクキローナ'(CT-P59)開発当時、現地政府機関をはじめ医療陣の積極的な協力が行われた国と今回のグローバル臨床に対して緊密に協議している」とし「ウイルス変異拡散などの臨床試験環境を考慮して患者募集と臨床進行が円滑と予想される国を対象に臨床試験を拡大実施する予定」と述べた。
セルトリオンとインハロンは2020年8月に機密維持条約(CDA)及び物質移転契約(MTA)の締結を完了し、約1年5カ月にわたり吸入型抗体治療剤の開発を進めてきた。
両社は現在開発中の吸入型抗体治療剤に多様な変異に対して中和能力を見せる'CT-P63'を加えれば、変異ウイルス対応に最適化されたプラットフォームになるものと期待している。 現在、国内外で急速に広がっているオミクロン変異ウイルスはもちろん、今後発生可能な変異にも対応力が強化された吸入型治療剤プラットフォームを活用し、包括的変異対応治療ソリューションを用意する計画だ。
吸入型抗体治療剤はウイルスが浸透する経路である肺や呼吸器粘膜からウイルスを捕獲する「トラッピング(muco-trapping)メカニズム」によりウイルスを急速に無力化することができる。 肺に直接局所的に抗体を伝達する方式で、静脈注入型治療剤と比較してより少ない量で同等な効果を見せるだけに経済性も備えるものとみられる。 患者が自ら吸入するだけでも治療が可能で、接近性の改善も期待される。
セルトリオンとインハロンは今後、コロナ19ウイルスが土着化する場合、在宅治療にも活用可能な治療オプションになるよう、吸入型抗体治療剤を商業化する方針だ。