【ソウル=ヘルスコリアニュース/イ·チュンマン記者】 米国ファイザー(Pfizer)の経口用新型コロナウイルス感染症治療剤「パクスロビド」(Paxlovid、成分名:ニルマトレルビル·nirmatrelvir)が緊急使用承認(EUA)から正式承認に転換された。 これに伴い、ファイザーは安定的な売上を発生させることができるものと見られる。 ファイザーは韓国ファイザーを通じて国内でも正式品目許可手続きを踏んでいる。
米国食品医薬品局(FDA)は25日(現地時間)、入院または死亡など重症の新型コロナウイルス感染症に進行する危険性が高い軽症から中等度の新型コロナウイルス感染症成人感染者に対する治療剤として「パクスロビド」を承認したと発表した。 新型コロナウイルス感染症関連の飲む薬がFDAの承認を受けた事例は今回が初めてだ。
FDAの承認はファイザーが実施したEPIC臨床プログラムのデータに基づいた。 このうちEPIC-HR研究は新型コロナウイルス感染症の感染者のうち、以前ワクチンを接種しておらず入院していない18歳以上の成人を対象に「パクスロビド」とプラシーボ(placebo)の有効性および安全性を対照評価した臨床2/3相試験だった。
EPIC-HR研究の結果、「パクスロビド」は新型コロナウイルス感染症感染者の入院および死亡リスクを86%下げることが分かった。 症状発現5日後、「パクスロビド」と偽薬を無作為に投与して28日間追跡観察した結果、「パクスロビド」投与群の0.9%が入院及び死亡に至った反面、偽薬の入院及び死亡率は6.5%に達した。
研究で確認された「パクスロビド」の安全性は、これまで「パクスロビド」を処方された患者から現れたデータと一致した。 新たに観察された異常反応はなかった。
この日、ファイザーのアルバート·ブラ最高経営責任者(Albert Bourla)は「新型コロナウイルスは依然として現在進行形だ。 特に高齢者は重症に発展する可能性が非常に高い」とし「今回の承認はこのような憂慮を蚕食させるのに寄与する記念碑的な成果」と述べた。

「パクスロビド」はファイザー研究所で開発したもので、新型コロナウイルスのRNA複製前に発生するタンパク質分解段階で必要な酵素であるタンパク質分解酵素の活性を抑制し、ウイルス複製を阻害するよう設計された。
米国FDAは2021年12月、「パクスロビド」を重症に進行する可能性が高い12歳以上の新型コロナウイルス感染者に対する治療剤として緊急使用承認(EUA)したことがある。 緊急使用承認とは、薬物の有益性·危険性プロファイルが具体的に立証されてはいないが、当時確保されたデータに基づいて治療効果が期待できる薬物に対して使用を許可する制度だ。 正式承認とは異なり、緊急状況が終了したと判断された場合、薬物の使用許可を取り消すことができる。
「パクスロビド」は緊急使用承認以後、ファイザーの売上上昇を牽引した親孝行商品として位置づけられた。 現在まで米国だけで1160万件以上処方されたものと集計された。 2022年基準で「パクスロビド」は189億ドルの収益を上げ、グローバル医薬品売上順位4位を記録したことがある。
薬物が正式承認に転換されただけに、「パクスロビド」は米国でさらに安定的に供給されるものと予想される。 ただし、FDAは緊急使用承認した時, 使用年齢を満12歳まで幅広く保障した反面、正式承認の適応症は満18歳以上の成人に制限した。
ファイザーは満17歳以下を対象に実施中のEPIC-Peds臨床2/3相試験を終え、今後追加適応症拡大承認申請を提出する計画だ。 EPIC-Peds研究は今年下半期に終了する見通しだ。
韓国の食品医薬品安全処も2021年12月に「パクスロビド」を緊急使用承認し、韓国ファイザーは以後、食品医薬品安全処にパクスロビドの正式品目許可を申請したと知られている。 疾病管理庁の中央防疫対策本部によると、昨年1月14日から8月25日まで、国内で「パクスロビド」を処方された患者数は42万8813人だ。
一方、日東(イルドン)製薬の新型コロナウイルス感染症治療剤「ジョコバ(Xocova)」も現在、食品医薬品安全処の品目許可手続きを進めている。 当初、イルドン製薬は「ジョコバ」の緊急使用承認を狙ったが、これが不発になり正式品目許可に方向を旋回した。<헬스코리아뉴스>
※この記事を読んで質問があれば下記の電子メールにご連絡ください。
e-mail: admin@hkn24.com