
【ソウル=ヘルスコリアニュース】 中堅製薬会社の韓国ビーエヌシー(BNCkorea)が「デキシブプロフェン(Dexibuprofen)」成分の注射剤型製品の開発に乗り出す。 「デキシブプロフェン」製剤が注射剤型として開発されるのは世界で今回が初めてだ。 注射剤型は薬物の体内浸透が速く、短時間で効果が期待できるのが特徴だ。
韓国BNCはこのために候補物質である「BKP-017」に対する非臨床試験を終え、最近「デキシブプロフェン成分を含む注射用液状組成物」特許を登録するなど本格的な臨床開発準備に突入した。
先立って韓国ビーエヌシーは2021年1月、製剤研究業者であるバイオサム(biosome)と製剤技術移転および開発進行に関する契約(BKP-017)」を締結し, 商用化のための共同開発及び共同特許権利保有に合意した経緯がある。
「デキシブプロフェン」は古くから使われてきた解熱鎮痛消炎剤成分で、現在まで開発された製品は全て経口用製品だ。
韓国ビーエヌシー関係者はヘルスコリアニュースとの通話で「全世界的に注射剤形態の薬物は存在しないため、韓国ビーエヌシーが品目許可を獲得すれば世界初の『デキシブプロフェン(Dexibuprofen)』成分の注射剤になるだろう」とし「製剤変更による改良新薬(資料提出医薬品)の開発を目標にしている」と話した。
「デキシブプロフェン」はよく知られているNSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)系の薬物だ。 「デキシブプロフェン」は「S-(+)-イブプロフェン(Ibuprofen)」とも呼ばれるが、「イブプロフェン」成分の薬理効果を主に表す異性体である。
「イブプロフェン」は「デキシブプロフェン」と同じS formとR formが混合されているが、「デキシブプロフェン」はそのうち活性型イブプロフェンであるS formのみを分離·精製して作った薬物である。 この薬物はイブプロフェンより少ない用量で同じ効果を示すことができ、副作用も少ない。
ただし、「デキシブプロフェン」成分を含む注射剤(BKP-017)の品目許可を受けるためには、薬物の効能と薬理作用、そして毒性有無に対する非臨床試験だけでなく、正常な臨床1相試験と3相試験を行わなければならない。
韓国ビーエヌシー関係者は「BKP-017に対する非臨床試験をすでに完了しており、現在臨床1相試験申請を準備している」として「今後臨床3相試験を進行して国内品目許可を得た後、バイオサムと協議して国内だけでなく海外登録及び輸出も積極的に進行する予定」と説明した。
ちなみに現在、国内の解熱鎮痛消炎注射剤は「アセトアミノフェン(Acetaminophen)」系、「イブプロフェン(Ibuprofen)」系、「アセトアミノフェン」と「イブプロフェン」混合系などの多様な製品が存在するが、「デキシブプロフェン」単一成分の注射剤はない。
韓国BCは現在「BKP-017」をバイアル(vial)形態の静脈注射用途で輸液剤に混合して使用する製品を開発しているが、後続として輸液剤に混合したプロミックス(Promix)製品も開発する方針だ。[헬스코리아뉴스]