[ソウル=ヘルスコリアニュース] 三星(サムスン)バイオエピスが内部的に新種のコロナウィルス感染症(コロナ19)治療剤の研究を進めてきたことが分かった。 会社側が商用化を目標に開発を最後まで続けるかはまだ未知数だが、財閥企業の三星がコロナ19治療剤の開発に関心を示したという点で注目される。
特許庁は昨年6月末、サムスンバイオエピスが特許出願した「抗-Ang2抗体を含むコロナウイルス感染症を治療するための組成物およびその用途」の発明を最近公開した。
当該発明は「アンジオポエチン-2」(Angiopoietin-2, Ang2)に特異的に結合し、Ang2と共に血管内皮細胞に存在する受容体Tie2に結合して活性化する「抗-Ang2抗体」または「これの抗原結合断片を有効成分として含むコロナウイルス感染症を治療するための組成物」に関するものである。
会社側は「抗-Ang2抗体」がコロナ19ウイルスに感染した患者が死亡する最も大きな原因とされる「サイトカイン暴風」(Cytokinestorm)を抑制できると期待している。
炎症性サイトカイン(pro-inflammatorycytokine)は、体に入ってきたウイルスに対抗する免疫細胞が分泌するタンパク質だ。 サイトカインの分泌が増えれば、免疫体系は我々の体を攻撃する抗原がさらに多くなった」と認識し、対応のレベルを高める。
コロナ19ウイルスは体内サイトカイン生産を急激に増やす。 過剰分泌されたサイトカインは血液を乗って全身に広がり、炎症反応を起こし、体内免疫反応はさらに増える。 このような悪循環が繰り返され、正常な組織や臓器まで損傷を受けるが、ひどい場合は死亡に至る。 これを「サイトカイン暴風」という。
サムスンバイオエピスが特許出願した「抗-Ang2抗体」はコロナ19ウイルスによって誘導されたサイトカインの血管内放出を阻害したり血管透過性を減少させる方式で「サイトカイン爆風」を抑制する。
サムスンバイオエピスは試験管内(In-vitro)の試験とマウス実験を通じて「抗-Ang2抗体」の効果を確認した。
特にマウスの実験結果が目立つ。 薬物を投薬しなかった対照群はコロナ19ウイルス感染後7日目にすべて死亡したが、「抗-Ang2抗体」を低用量(2mg/kg)で投薬した試験群は同期間100%生存率を記録し、治療剤としての可能性を確認できた。
三星バイオエピス側は「既存の技術にもかかわらず'抗-Ang2抗体'がコロナウイルス感染症を治療できるかはまだ確認されていない」とし「しかし('抗-Ang2抗体'を利用すれば)重症COVID-19感染症を根本的に治療できる」と強調した。
今回の特許出願でもう一つ注目すべき点は、三星バイオエピスと共に三星グループの中核系列会社である三星電子(SamsungElectronics)が共同出願人に名を連ねたことだ。 それだけ保護価値の高い技術という意味に解釈される。
業界関係者は「三星電子は三星グループを代表する企業だが、医薬品とは全く関係がない系列会社」とし「それでも三星バイオエピスと共同出願人に名前を載せたのを見ると、今後グループレベルで"抗-Ang2抗体"に関する特許出願技術を管理する可能性がある」と話した。