[ソウル=ヘルスコリアニュース] 耳にできたケロイドの傷跡を手術した後、再発率を下げる方法が開発された。
ケロイドの傷跡は手術などで肌に傷ができた後、傷跡が治らず赤色に太くなり非正常に大きくなる疾患だ。 現在まで明確な発生原因は明らかになっていないが、損傷した皮膚に加わる張力が主要な役割を果たすものと知られている。
ケロイドは耳、胸、肩、腕、お腹など多様な部位に発生することがあり、特に耳はイヤリングやピアス着用のためにわざと出した傷からケロイドが発生する場合が多い。 ケロイドは、治療が容易ではなく再発が多いため、基本的な手術治療のほかにも多様な治療が並行されている。
翰林(ハンリム)大学東灘聖心(トンタン·ソンシム)病院整形外科のパク·テファン教授は、自分が開発したシリコンゲルシートと磁石を利用した新しい治療法を利用し、手術後の回復および再発防止の効果をあげている。
この治療法はケロイド切除術後、3-4週間後からケロイド再発防止に効果があるシリコンゲルシートで耳を覆って磁石で固定させ、圧迫治療を行う方法だ。 ケロイド治療剤としてよく知られていたが、耳に安定的に固定させるのが難しかったシリコンゲルシートを効果的に耳に適用できるだけでなく、磁石の金属成分によって誘導される接触性·アレルギー性皮膚炎を予防できる。
シリコンゲルシートと磁石治療法は、パク·テファン教授が2017年に国際創傷学会誌(International Wound Journal)に掲載した論文で効果が立証された。
朴教授の研究結果によると、ケロイド除去手術を受けた患者40人に磁石とシリコンゲルシートを適用して18ヵ月間追跡観察した結果、95%で再発がなかった。 患者本人と客観的な観察者による国際公認傷跡アンケート調査でも、痛み、かゆみ、色、硬さ、厚さ、不規則な程度などが治療前と比べてかなり改善されたことが分かった。
パク·テファン教授は「ケロイドは多くの患者に挫折感を抱かせる代表的な疾患として知られるほど治療が容易ではない、3次元構造の耳に磁石を用いた圧迫治療を行うことでケロイド線維母細胞およびケロイドコラーゲンの増殖を阻害し、ケロイド線維母細胞の自然死を誘導して効果を発揮する」と述べた。
パク教授は続いて「シリコンゲルシートの場合、皮膚角質層の水分損失を減少させる水和作用を増大させ、繊維母細胞に影響を与える多様な成長因子の発現を調節することでケロイド治療に効果がある」と説明した。
一方、朴泰桓教授はニューヨーク市所在の国際ケロイド研究財団(Keloid Research Foundation)で科学諮問委員(Scientific advisoryboard)として活動しており、2019年整形外科国際教科書の傷跡チャプターを作成するなど、ケロイド治療の権威者だ。 シリコンゲルシートと磁石治療法は朴泰桓教授が2013年から特許を保有しており、この他にも計3種類のケロイド治療法の特許を保有している。