[ソウル=ヘルスコリアニュース] 高麗(コリョ)大学バイオ医工学部のチョン·アラム教授研究チームがガン免疫細胞治療用のT細胞遺伝子編集および操作が可能なバイオチップを開発した。 これによって既存の癌疾患に対する免疫細胞治療の限界を克服できるものと期待される。
今まで毒性抗がん剤、標的抗がん剤ががん治療に使われているが、究極的ながん完治には至っていないのが現実であるが、これに新たな代案として患者の免疫細胞を使ってがんを除去する「がん免疫細胞治療(cancerimmuno-celltherapy)」が大きな注目を集めている。 白血病、リンパ腫など一部の血液癌での完治結果を基に、米国FDAから承認を受けた5種類の癌免疫細胞治療剤が現在癌治療に使われている。
普通、癌疾患に対する免疫細胞治療は患者のT細胞を分離した後、癌を認知及び攻撃するCAR(chimericantigenreceptor)遺伝子をT細胞の中に入れ、この細胞を再び患者に注入することで治療が行われる。 この時、遺伝子を細胞の中に取り込むためにウイルスを使用することになるが、これによって発生する安全性の問題と低い生産量が大きな短所として指摘されてきた。 のみならず、優れた効果にもかかわらず高価な価格はアクセシビリティにおいてもその限界点が明らかであった。
このような限界点を根本的に解決するため、チョン·アラム教授チームは微細液体(microdroplet)基盤のガン免疫細胞治療剤生産プラットフォームを開発した。 同技術は、微細液体の中で物理的に細胞膜核膜を開き、効果的に遺伝子をT細胞の中に入れるプラットフォーム技術だ。 この技術は伝達物質の大きさと免疫細胞の種類に大きくこだわらない特徴がある。 また、低コストと高効率で遺伝子伝達が可能な汎用性の高さを証明し、非常に少ない量の核酸のみを使用するという点で有意義な成果と評価される。 さらに、1分当たり百万個以上のT細胞を大量に編集できる高い処理量を考慮したとき、報告された技術が細胞治療剤の生産にすぐに使用できるものと予想される。
論文第1著者であるチュ·ビョンジュ研究員はヘルスコリアニュースに「微細流体基盤細胞内物質伝達は細胞治療剤開発を含む多様な生命工学研究に応用可能な潜在力を持つ技術」とし「今回の研究は既存の技術より高いT細胞形質転換歩留まりを得たという点で注目に値する成果」と明らかにした。
今回の研究結果はナノ科学分野の国際学術誌'ACS Nano'にアメリカ現地時間6月18日付で掲載された。