[ソウル/ヘルスコリアニュース] 米国FDA(食品医薬局)局長代行体制が予想より長くなっている。 2019年11月からFDAを率いてきたステファン·ハン(Stephen Hahn)元局長が20日に辞任した後、1週間が過ぎてもバイデン政権は新しい長官を選任していない。
ステファン·ハン元局長が就任して1年しか経っておらず、トランプ政権からFDAの独立性を守り抜いたという点で、継続して地位を守ることもできるという予測もあったが、彼が新政権の発足とともに自らの地位から退き、誰が新たにFDAを率いていくのかに関心が集まっている。
ステファン·ハン元局長はコロナ19'ワクチンを従来の手続きを踏まず早期に承認せよというトランプ大統領の圧力に屈せず、直接フェイスブックライブに出演してモデナとファイザーが開発したワクチンに対する機関の検討プロセスについて直接弁護した。
ステファン·ハン元局長がMDアンダーソンがんセンター(MD=Anderson Cancer Center)腫瘍学者出身だったという点で、今回はFDAで長年の経験があるか、米保健福祉部の官僚の中で主に保健政策を担当した人物がFDAを率いることになるという予測が多い。
#. ジャネット·ウッドコック博士が有力視
最も可能性の高い人物は、現在局長権限代行を務めるジャネット·ウッドコック(Janet Woodcock)博士だ。
ウッドコック代行は、FDAから40年近く働いてきたベテランだ。2008年から主に薬物評価·研究センター(CDER)で働いてきたが、今年初めからはコロナ19ワクチンの開発·普及プロジェクトである「超高速作戦(OperationWarpSpeed)」チームで活躍していた中国局長権限代行を務めた。
バークネル大学で化学学士、ノースウェスタン大学医学博士号を取得したウッドコック代行は、FDAの最高医療責任者、最高運営責任者などを歴任し、トランプ大統領在任中もCDERを率いてきた。
現地メディアは「もしウッドコック代行を正式局長に選任するなら、バイデン政権がFDAの急激な変化よりは従来の方向の維持を選択したものと解釈すべきだ」と報じている。
#. ジョシュ·シャープスタインも有力候補に
現在、ジョンズ·ホプキンス大学医学部の学長を務めているジョシュ·シャープスタイン(Josh Sharfstein)博士も有力視されている。 シャープスタインは、08年の大統領選挙でオバマ大統領の当選を支え、オバマ大統領の任期中はFDA副局長を務め、局長候補の下馬評にも何度も名前が挙がった人物として、再び戻った民主党政権で最も強力なFDA局長候補と予測されていた。
しかし、副局長在任当時、独善的なスタイルで職員と時々衝突したケースがあり、新しい局長に選任されなかった。
米メディア·ポリティコ(POLITICO)は、「シャープスタイン博士は製薬業界に友好的な人物ではない。 彼は小児科専門医として咳や風邪薬のOTC(一般医薬品)に対する規制強化を擁護し、製薬業界のマーケティング慣行に批判的だったため、彼が選任される場合、新薬に対する承認回数がトランプ政権当時より減るだろうと分析した。
一方、ウッドコック代行はCDERを率いて19年新薬48種のうち43種(90%)を許可しており、18年には59品目のうち56種(95%)を承認するなど新薬承認に積極的な人物と評価されている。
#. エイミー·エバーネッティ副局長も取りあげ
エイミー·エバネティ(Amy Abernethy)現FDA副局長が新しいFDAの首長に就任するという観測もある。エバネッティ副局長は、ステファン·ハン元局長在任当時、学者出身の韓国長官を補佐し、FDAの「コロナ19」対応をうまく導いたという評価を受けている。
バイデン政府が、コロナ19大流行の状況でワクチン供給と接種を導くコントロールタワーの座を長く空席にしないという予測が多いが、権力内部の意見衝突のため、思ったよりウッドコック代行体制が長く続くという予想も少なくない状況だ。