[ソウル/ヘルスコリアニュース] コロナ19ウイルスに感染した時に現れる症状は1段階、2段階、3段階に分けることができる。 段階が高くなるほど症状もひどくなり、死亡の危険が高くなる。
台湾の低分子新薬開発専門会社であるゴールデンバイオテック(Golden-biotech)によると、コロナ19に感染すると、初期にはウイルス増殖とともに軽症ないし中等症の症状と肺炎が発生し、2段階に入ると、過炎症状態で肺炎やサイトカイン暴風、急性呼吸器疾患などが発生する。 3段階に入ると、肺繊維化が起こり、呼吸器問題と神経系問題が発生する。
したがって、コロナ19患者の治療法も段階別に適用される。 1段階感染時には、抗ウイルス剤が利用される可能性がある。 そのうちの一つが米国FDAで承認した「レムデシビル」(Remdesivir)だ。 2段階感染時には肺炎が進展し、サイトカイン暴風などが現われるので、デキサメタソンのような抗炎症治療剤が使われる。 問題は3段階だが、3段階で現われる肺繊維化に対しては、まだこれといった治療薬物がない。
ところが、最近注目される物質がある。 上図に見られるように、抗ウイルス、抗炎症、抗廃繊維化をすべてカバーできる「アントロキノンロール」(Antroquinonol)である。 Antroquinonolは「アントロジアカンポラタミセリア」(Antrodia Camphorata Mycelia)のキノコから抽出した単一成分で、分子量390に当たる低分子薬物である。
現在、ゴールデンバイオテックが臨床2相を進行しているこの抗がん剤は、動物単回投与や反復投与試験で注目に値する毒性が確認されておらず、遺伝毒性、生殖発生毒性試験でも重大な薬物関連毒性が確認されていない。 FTase(farnesyltransferase)とGGTase-I(geranylgeranyltransferase-I)という二つの酵素が肺がん治療に役立つと主張した。
体内「FTase」(farnesyltransferase)と「GGTase-I」(geranylgeranyltransferase-I)の二つの酵素の遮断によりRho(腫瘍遺伝子)とRas(低分子量結合タンパク質)の活性化を抑え、「RAS-PI3K-Akt-Mtor」の経路を遮断する。 動物分布試験においては、Antroquinonolを投与した場合、主に肺に分布し、肺炎に対する標的治療の可能性を提示した。
ゴールデンバイオテックは「米国FDAが臨床1相試験で見せた'Antroquinonol'の安全性と薬物の作用メカニズム、効力、毒性、薬物動態などを十分に検討し、コロナ19軽症ないし中等症の肺炎患者に対する効力と安全性を確認するための臨床2相試験を承認したもの」と説明した。
ゴールデンバイオテックの関係者は「最近台湾大学で実施した『レムデシビル』と比較した抗ウイルス試験では『レムデシビル』が約70%の抗ウイルス効果を見せたが、『アントロキノンロール』は約94%の抗ウイルス効果を見せた」と伝えた。 同社は、「B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスも抑制することをすでに確認した状態だ」と話した。
したがって「Antroquinonol」は今後臨床2相試験がどれだけ順調に行われ、中間分析結果と最終結果が出るかが関心事である。
ゴールデンバイオテックの関係者は「米国のFDAでも臨床2相試験の結果が肯定的に出た場合、緊急使用承認について肯定的に検討するという立場だ」と述べた。
この関係者は「ワクチンがコロナ19ウイルスに対して免疫力を誘発し、防疫に多くの役割を果たすだろうが、それにもかかわらずウイルスはしばらくいるだろうという点と、ワクチンが高齢者や乳幼児、小児への使用が十分に立証されていないため限界がある点、変異ウイルスが拡散する場合、防御が困難になる点が治療剤に対するニーズが存在する部分だ」と主張した。
結局、効果の優秀なワクチンと治療剤が共に防疫に寄与する時、コロナウイルスからの危険から脱することができるという話だ。
一方、国内では韓国ビエンシーがゴールデンバイオテックと契約を締結、韓国をはじめロシア、トルコ、ウクライナでの製造·販売権を保有している。
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