[ソウル=ヘルスコリアニュース] 韓国産新薬30号のHKイノエンの胃食道逆流疾患治療新薬「Kキャップ」(K-CAB、成分名:テゴプラザン、Tegoprazan)が中国の万里の長城を越えた。 中国市場には既にグローバル製薬会社のP-CAB(カリウム競争的胃酸分泌抑制剤)系薬物が販売されているが、まだ影響力が大きくなく、市場環境も「Kキャップ」に友好的であるため、市場の安着はもちろん、競合製品との主導権争いでも有利とみられる。
HKイノエンは最近、自社が開発したP-CAB系列の新薬「Kキャップ」が中国国家薬品監督管理局(NMPA)の最終品目許可を獲得したと発表した。 中国で許可を受けた適応症は、びらん性食道炎だ。
会社側は「大きな楽しみを助ける」という意味の現地名「タイシンチャン」で、今年第2四半期中に中国市場に「Kキャップ」を発売する計画だ。 「Kキャップ」の中国内販売は現地独占生産及び流通権を保有するルアシン社が行う。
中国のP-CAB系胃食道逆流疾患治療剤市場は日系グローバル製薬会社武田(たけだ)製薬が開発した「ボシンティ」(Vocinti、成分名:ボノプラザン·Vonoprazan)が先取りしている。
武田製薬は2019年12月、中国NMPAから「ボシンティ」に関する品目許可を取得し、翌年の2020年第2四半期に製品を発売した。 この薬の売上高は2020年68万ドル(韓国お金約8億ウォン)、昨年は第3四半期まで1078万ドル(韓国お金約133億ウォン)を記録し、思ったほど多くはなかった。
2020年グローバル2位を記録した中国の消化性潰瘍用剤市場規模は、昨年第3四半期累計基準で約3兆1000億ウォンを記録した。 これは同期間、世界最高の市場である米国(約2兆8000億ウォン)を超えるものだ。
中国消化性潰瘍用剤市場が世界の約20%の割合を占め、最近急成長していることを考慮すると、「ボシンティー」の売上はグローバル企業の実績というにはみすぼらしい水準だ。
P-CAB系薬物はすでに韓国と日本で優秀な効果と市場性が立証された状態だ。 2019年に発売した「Kキャップ」は昨年、韓国市場で 1078億ウォンの売上を記録し、2015年に発売した「ボシンティー」(日本製品名:タケキャップ·Takecab)は、日本で2020年に7億2500万ドル(韓国お金約8954億ウォン)の売上を記録した。 それだけこれらの薬物の需要は多かったのだ。
国内A製薬会社の関係者は最近、ヘルスコリアニュースとの通話で、「武田製薬は中国でパートナー会社を通さず、直接『ボシンティ』を販売している。 輸入医薬品として許可を受け、現地生産も行われていない」とし、「中国では日系輸入医薬品の営業が容易ではない。 武田製薬が「ボシンティ」を輸入医薬品として許可され、中国現地で直接販売したのが低調な売り上げに影響したとみられる」と話した。
反面、HKイノエンは武田製薬とは異なり、地元製薬会社のルアシン社を通じて「Kキャップ」の販売に乗り出す。 現地の製品生産もルアシン社に直接担当する。
国内B製薬会社の関係者は、「『Kキャップ』はルアシン社が中国で直接臨床試験を行い、現地で生産して販売まで直接行うため、中国人の立場では自国企業が作った薬を販売しているという認識を植えつけることができる」とし、「外資系企業が力を入れにくい市場であるだけに、HKイノエンが現地状況に合わせたマーケティング戦略をまとめたものだ」と話した。
ルアシンは中国消化性潰瘍用剤市場で3位を記録している消化器分野の専門会社で、3000人あまりの営業人員を通じた大規模な営業網を構築している。 同社はこのような巨大営業網を積極的に活用するのはもちろん、現地特性に合わせたマーケティング戦略を樹立し、「Kキャップ」を迅速に市場に定着させる計画だ。 HKイノエン社は2015年、ルアシン社に9500万ドルを受け、「Kキャップ」を技術輸出した。
これまで中国で許可を受けたP-CAB系列の胃食道逆流疾患治療剤は、「Kキャップ」と「ボシンティー」の2製品だけだ。 このほか、韓国企業の大雄(デウン)製薬は現在、中国で「ペックスクルー」(成分名:ペックスプラザン塩酸塩)に対する3相臨床試験を行っている。