[ソウル/ヘルスコリアニュース] エラーガンが世界で初めてかつ米国FDAの承認を受けた二重あご治療剤「ベルカイラ」(Belkyra、米国製品名「Kybella」)を韓国市場から撤退させた。 市場性が小さいという判断によるものと解釈される。
エラーガンは21日、「ベルカイラ」(成分名:デダキシコール酸·deoxycholic acid)の品目許可を自ら取り下げた。 2017年に食品医薬品安全処から市販を許可されてから約3年ぶりのことだ。
「ベルカイラ」の再審査期間は2023年8月まで。 同期間、ジェネリックの市場参入は不可能だ。 「ベルカイラ」は2年8か月間市場を独占できる。 それでもエラーガンは「ベルカイラ」の許可を自ら取り下げた。
「ベルカイラ」のグローバル売上高(2019年基準)は7200万ドル(約799億ウォン)で、エラーガンが発売したグローバル製品にしては売上が大きくない。 国内での売上はこれよりさらに少ないが、保険外薬物なので正確な売上は公開されていないが、食品医薬品安全処が公開した「ベルカイラ」の昨年の輸入実績は152万3617ドル(約152万3617ドル)水準に過ぎなかった。
物流費と人件費、営業·マーケティング費用などを除けば事実上残るのがない商売だ。 こうした中、「ベルカイラ」は2023年までに再審査資料も確保しなければならない。 これには追加人員と費用がかかる。 エラーガンが市場性を理由に「ベルカイラ」を撤退させたという業界の意見に重みが加わる理由だ。
一部ではエラーガンが当初「ベルカイラ」の韓国市場に大きな関心を置かなかったという分析も出ている。 実際、「ベルカイラ」の特許をめぐる国内製薬会社とエラー間の特許紛争の過程を見てみると、このような雰囲気がある程度感知される。
食薬処の医薬品特許リストに記載された「ベルカイラ」の特許は計3件。 原出願特許1件とこれを分割した分割出願特許2件だ。 国内製薬会社のうち、大熊(テウン)製薬とペンミックス(PENMIX)がこれらの特許に回避審判(消極的権利範囲確認審判)を請求し、いずれも請求成立審決を受けた。 原出願特許はすでに審決が確定しており、分割出願特許2件は、エラーガン側がまだ控訴するかどうかを決めていない状態だ。
注目すべき点は、特許紛争の過程でのエラー間側の対応方式だ。 特許審判院の審決文によると、エラーガンはこれら3つの特許に関する審判過程で答弁書や意見書を1件も提出しなかった。 これは、エラーガンが大熊製薬やペンミックスの主張に対し、いかなる反応や反論もしていないことを意味する。 自社の特許を放棄したも同然だ。
業界で「エラーガンは早くから"ベルカイラ"の国内市場撤退を念頭に置いていたのではないか」という観測が出ている理由だ。
大熊製薬、自社開発薬物臨床3相終了
市場参入の時期、繰り上げられるのか?
大熊製薬は特許を回避した後、ジェネリックを発売するためではなく、自社開発の二重あご治療剤「DWJ211」の先制防御を目的として「ベルカイラ」の特許回避審判を請求した。
食品医薬品安全処の臨床試験情報と米国立保健院の臨床登録サイト「クリニカルトライアル」に登録された情報を総合すると、大熊製薬は昨年5月、「DWJ211」の臨床3相試験に入り、現在試験を終了している。 終了時点が正確には確認できないが、会社側が設定した予想終了時点(2020 年6 月25 日)を考慮すると、本年中旬に試験が終了したと推定される。
業界によると、大熊製薬は本来、「DWJ211」の許可日程を「ベルカイラ」の再審査期間に合わせて余裕をもっているという。 しかし、エラー間が「ベルカイラ」の許可を自ら取り下げたことで当初の予想より許可申請の時期が繰り上げられる可能性があるという観測が出ている。
ペンミックスはまだ「ベルカイラ」の後続薬物開発ニュースが伝えられていない。
製薬業界の関係者は「"ベルカイラ"は売上は小さいが成長率が高い薬物だった」とし「エラーガンが"ベルカイラ"を韓国市場から撤退させたとして、韓国の二重あご治療剤市場の潜在力が低いとは評価できない」と述べた。
同関係者はまた、「特に、エラーガンなど外資系企業が美容整形市場を主導していた過去とは異なり、現在は国内製薬会社の影響力がさらに大きくなっているため、今後国産製品が登場すれば、市場は急速に拡大する可能性がある」と予想した。
ヘルスコリアニュース(http://www.hkn24.com)