[ソウル/ヘルスコリアニュース] これまでインフルエンザはある程度予防が可能だったが、風邪は予防と治療においてほとんどお手上げだった。 ところが、シンガポールのある研究チームが風邪を治療する手がかりを見つけた。 私たちの体に入ってきた風邪ウイルス(ライノウイルス、HRV)を認知して免疫反応を起こすたんぱく質を発見したのだ。 その過程の作用機序(メカニズム)も究明した。
風邪とは、このたんぱく質がHRVを死滅する過程で発生する炎症が原因だが、今回の発見で一般風邪に対する新しい治療法を開発できるものと期待される。
シンガポール·南洋工科大学(Nanyang Technological University)傘下のリコンチアン医科大学(Lee Kong Chian School of Medicine)の研究チームは、数年前から存在は知られていたが、なぜ存在するのか正確に知られていなかったタンパク質「NLRP1」に注目した。
研究チームは「NLRP1」が体の中でウイルスによく露出する皮膚と肺の表面で多く観察されるため、ウイルスと関連があるという仮説を立てた。
さらに研究チームは、たんぱく質を誘発するウイルスがあるかどうかを確認するため、複数のウイルスに対するNLRP1反応を検査した。
数カ月の実験後、研究チームはHRVによって誘発された酵素の一つである「3Cpro」が人間の気道細胞からNLRP1を活性化するという事実を発見した。
3Cpro酵素は特定地点でNLRP1によって切断され、炎症を誘発して死滅する。 これは感染時、HRVのような病原体を速やかに除去するのに重要な過程ではあるが、死滅の過程でNLRP1が呼吸器を侵犯する場合、風邪の症状が現れる。
研究チームは「風邪とはNLRP1がHRVを死滅する過程で呼吸器で発現する場合、免疫反応を起こして現れる炎症」とし「これがひどくなると気管支炎と肺炎につながる」と説明した。
研究チームは「NLRP1がHRVを発見して対応する機序(メカニズム)を明らかにした。 したがって風邪の症状に対する新しい治療法が出てくる可能性がある」とし「次の段階として臨床医とともに過度なNLRP1発現を減らす薬物を開発する」と明らかにした。
研究チームは「肺細胞に発現したNLRP1を遮断するからといって風邪を引いた人の血液中のウイルス量が増加するわけではない」とし「これは肺細胞の中のNLRP1遮断がHRV死滅という本来の機能とは関係がないということを意味する」と述べた。
フランクリン·ジョン(Franklin Zhong)南洋工科大学傘下のリコンチアン医科大学助教授は「今回の研究を通じてNLRP1が一般の風邪ウイルスを検出し、免疫作用による炎症反応を始める役割をするという事実を突き止めた」とし「その活性化過程を遮断する方法と、それが触発する炎症反応を最小化する方法を調べることが次の段階だ。 その研究を続けていく」と今後の計画を伝えた。
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